b型肝炎訴訟で国(厚労省)から給付金を受け取るには?

医師3

昭和23年から昭和63年の間に集団予防接種やツベルクリン反応検査を受けた人の中には、b型肝炎ウイルスに感染している可能性のある人がいます。それは、予防接種や検査の時に注射器の針や筒を使いまわしたことによって、血液を介してb型肝炎ウイルスに感染したからです。

この時にb型肝炎ウイルスに持続感染した可能性のある人は、最大で40万人以上といわれています。

b型肝炎とは?

肝臓は自覚症状が少ないため、b型肝炎ウイルスに感染していても気づかない人がいます。b型肝炎ウイルスは、血液などの体液や性交渉、母子感染など様々な経路で感染します。無症候性キャリアのうちは症状がありませんが、感染していることに気付かないままでいると、慢性b型肝炎から肝がんや肝硬変などに進行する可能性があります。

慢性肝炎の場合は倦怠感や食欲不振、微熱など起こる可能性がありますが、自覚症状がない人も多いです。肝硬変が進むと、慢性肝炎の症状以外にもむくみや腹水(おなかに体液がたまること)、手のひらが震えたり首や頬に赤い斑点が出る場合があります。

肝がんが進むと、慢性肝炎や肝硬変の症状以外にもみぞおちにしこりができたり、黄疸が出てきたりします。そのため、昭和23年から昭和63年の間に集団予防接種やツベルクリン反応検査を受けた人は特に、b型肝炎ウイルス検査を受けてみるとよいでしょう。

勤務先や自治体での検診以外にも、保健所でも検査を実施しています。また、厚労省では肝炎に関するホームページを設けていて、肝炎ウイルス検査についてのリーフレットも作成しています。

集団予防接種などでb型肝炎ウイルスに感染した人には給付金が支給される

昭和23年7月1日から昭和63年1月27日の間でなおかつ7歳になるまでに、集団予防接種やツベルクリン反応検査の注射器の使いまわしによってb型肝炎ウイルスに感染した方には、国から給付金が支給されます。また、該当者から母子感染した人とこれらの人の相続人も給付金の対象です。

金額は病気の容態によって違い、50万円から3600万円となっています。給付の対象として認定されるためには、救済要件に一致しているかを裁判所で証拠に沿って確認する必要があります。つまり、給付金を受け取るには国家賠償請求訴訟を起こし、国との間で和解が成立しなくてはいけません。

なぜ給付金が支払われることになったのか?

子どものころに集団予防接種やツベルクリン反応検査を受けた時に、注射器の使いまわしでb型肝炎ウイルスに持続感染した人々が国に対して訴訟を起こしていました。その結果、平成18年に最高裁にて提訴していた5人に対する国の責任が認定されました。

この判決以降に同様の訴訟が全国で起きたため、裁判所の仲介で和解協議が行われました。協議の結果、平成23年に基本合意書と覚書が取り結ばれ、国と原告の間で基本的な合意がされています。また平成24年には、今後訴え出る人も含めて解決に努めるために「 特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法」が施行されました。

それによって、裁判で和解が成立した人に対して法律に基づいて給付金が支払われることになりました。ちなみに、死亡や発症から提訴までに20年が経った死亡・肝がん・肝硬変の人との和解は、平成27年に国と原告の間で合意がされています。

さらに平成28年には、20年が経った死亡・肝がん・肝硬変の人に給付金を支払うための「特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法の一部を改正する法律」が施行されています。なお、この改正によって特別措置法の効力は平成24年1月13日から平成34年1月12日までと定められています。

よって、給付金を受け取るためにはこの期間内に提訴しなくてはいけません。また、平成34年の1月12日までは給付金を受け取るための裁判が簡略化されます。

b型肝炎は汗で感染するの?接触時の注意点

給付金を受け取るための流れ

病院6

b型肝炎訴訟の給付金を受け取るためには、集団予防接種やツベルクリン反応検査での注射器の連続使用が感染経路であることを確認しなくてはいけません。それには、基本合意書で定められている救済要件に一致しているかどうかを、裁判所で証拠に沿って判断してもらう必要があります。

つまり、国家賠償請求訴訟を起こして裁判所の仲介で国と和解し、社会保険診療報酬支払基金へ申請書を出すことで給付金が受け取れます。和解成立から給付金の支給までは、大体2か月程度です。b型肝炎ウイルスに持続感染している人が給付金を受け取るためには、次のことを証明する資料が必要になります。

b型肝炎ウイルスに持続感染していること、該当の期間でなおかつ7歳になるまでに集団予防接種などを受けていること、母子感染ではないこと、集団予防接種など以外の原因で感染していないことです。また、病気や死亡の診断書(無症候性キャリアは不要)も用意します。

b型肝炎ウイルスに母子感染した人が給付金を受け取るためには、次のことを証明する資料が必要です。母親がb型肝炎ウイルスに持続感染していること、母親が該当の期間でなおかつ7歳になるまでに集団予防接種などを受けていること、母親自身が母子感染ではないこと、母親が集団予防接種など以外の原因で感染していないこと、自分がb型肝炎ウイルスに持続感染していること、自分がb型肝炎ウイルスに母子感染したことです。

また、自分の病気や死亡の診断書(無症候性キャリアは不要)も提出します。

給付金の給付金額は?

給付金の給付金額は、病気の容態によって違ってきます。死亡・肝がん・重度の肝硬変の人は3600万円、死亡や発症から提訴まで20年が経っていると給付金は900万円になります。軽度の肝硬変の人は2500万円、発症から提訴まで20年が経ち現状でも治療中などの場合は600万円、現在は治療中などではない人は300万円です。

慢性b型肝炎の人は1250万円、発症から提訴まで20年経ち現状でも治療中などの場合は300万円、現在は治療中などではない人は150万円になります。

また、無症候性キャリアの人には600万円、感染から20年が経っていると50万円が支給されます。さらに無症候性キャリアの人には、慢性肝炎などの症状があらわれたことを確認するのにかかった定期検査費用や母子感染を予防するために必要な医療費、世帯内で感染するのを予防するために必要な医療費、定期検査手当が支払われます。

給付金を受け取った人の症状が進んだ場合は、支給されている給付金との差額が追加給付金として支給されます。ちなみに給付金以外にも、訴訟に関する弁護士費用として給付金の4%相当額と、特定b型肝炎ウイルスに感染していることを確認するためにかかった検査費用も訴訟手当金として支給されます。

投稿日: